看護系実習(2011)
1 看護学実習のねらい
看護は生きている人間そのものに関わり、人間関係の相互作用を基盤にして繰り広げられる援助のプロセスである。看護は理論として学ぶだけでなく、実体験に基づいた学習を行うことが重要であり、看護学実習を行うことで理論と実践が統合することを実感し、総合的に看護が行えるようになる。看護学実習は、家庭、施設、地域などの幅広い領域において、人々の多様な健康ニーズに貢献することができる看護者を養成するための、重要な学習の機会である。
本学では4年間の看護学実習を通して以下のことをねらいとする。
(1)個々の対象を尊重しながら、主体的に発展的な人間関係を築くよう努め、対象を総合的に理解する能力を養う。
(2)個々の対象の健康レベルやライフステージにおける心身の状態や生活を理解し、その対象に応じた適切な看護を科学的な判断に基づいて実践する能力を養う。
(3)保健・医療・福祉分野における関連職種の役割や活動を理解し、他職種との連携や社会資源の活用を通して看護専門職の役割を考える。
看護学実習は、4年間を通して段階に分けられ、学習レベルに応じた実習を段階的に順次行っていくよう組み立ててある。実習では、その時期の講義との関連性を認識しながら、さらに次の段階への講義・実習にも結びつけていけるよう、自主的・積極的に取り組むことが求められる。
現行カリキュラム(4年生)

平成21年度改正カリキュラム(2年生、3年生)

平成23年度改正カリキュラム(1年生) 

2 今年度の実習日程
学年次 | 実習段階 | 実習科目 | 実習期間 | |
(H23年改正カリキュラム) | 1年次 | 第1段階 | 初期体験実習 | 平成23年7月5日(火)~7月12日(火) |
1年次 | 第2段階 | 基礎看護学実習 | 平成24年1月10日(火)~1月24日(火) | |
(H21年改正カリキュラム) | 2年次 | 第3段階 | 看護アセスメント学実習 | 平成24年1月30日(月)~2月15日(水) |
3年次 | 第4段階 | 老年Ⅰ看護学実習 在宅Ⅰ看護学実習 | 平成23年5月30日(月)~6月3日(金) 平成23年6月6日(月)~6月10日(金) | |
3年次 | 第4段階 | 成人・老年Ⅱ看護学実習 小児看護学実習 母性看護学実習 精神看護学実習 | 平成23年9月5日(月)~11月25日(金) | |
(H21以前入学生, H21,22編入生) | 4年次 | 第4段階 | 地域看護学実習 老年看護学実習Ⅱ | 平成23年5月9日(月)~6月17日(金) 平成23年5月9日(月)~5月20日(金) |
第5段階 | 総合実習 | 平成23年6月20日(月)~7月1日(金) | ||
選択 | 助産学実習 | 平成23年6月20日(月)~7月29日(金) 平成23年8月22日(月)~9月2日(金) |
第2段階以降の実習履修に際しては下表の要件を充たす必要がある。
実習段階 | 修得済あるいは修得見込であることが必要な科目 |
(平成23年度改正カリキュラム) 第2段階実習 | 看護学概論,生活援助論(生活過程、生命維持),第1段階実習 |
(平成21年度改正カリキュラム) 第3段階実習 | 看護理論入門,医療技術論,看護疾病病態論I・Ⅱ,ヘルスアセスメント,看護アセスメント概論,看護アセスメント演習,第2段階実習 |
(平成21年度改正カリキュラム) 第4段階実習 | 第3段階実習,および当該実習に関連するすべての専門科目、基礎看護技術演習(第1段階技術チェック) |
(現行カリキュラム) 第5段階実習 | 第4段階実習 |
助産学実習 | 第4段階実習、助産学概論、助産診断・技術学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ |
※助産学実習は、選考(H24年度まで実施)により許可されたものだけが履修できます(p21参照)。
なお、留年学生が実習を履修する場合は、当該実習開始までに、以下の科目を再度学習しなおさなければ実習することはできない。
1)基礎看護学実習
・生活援助論(生活過程、生命維持)
・看護理論入門
2)看護アセスメント学実習
・看護アセスメント概論
・看護アセスメント演習
3)第4段階実習
・成人・老年看護学演習
・小児看護学演習
・母性看護学演習
・精神看護学演習
・地域生活支援論( 3年次を留年した場合)
・地域生活援助論Ⅱ(4年次を留年した場合)
3 評価方法
実習内容、出席日数、実習態度およびレポートなどにより評価する。出席日数は100%出席することを原則とする。
4 3年次における第4段階実習の単位認定について
1)3年次に行われる老年実習Ⅰ・在宅実習Ⅰは同施設で連続して行うものであり、どちらかの単位が修得できない場合は、両方の実習単位は認めないこととする。したがって、次年度は老年実習Ⅰ・在宅実習Ⅰの実習を履修しなければならない。
2)3年次に行われる成人看護学実習、老年看護学実習Ⅱ、小児看護学実習、母性看護学実習、精神看護学実習の5領域のうち、1つ以上の領域で単位が修得できない場合は、5領域すべての実習単位は認めないこととする。したがって、次年度は5領域すべての実習を履修しなければならない。
5 看護学実習の概要
実習科目 | 実習のねらい | 実習場所 | |
第1段階 | 初期体験実習 Early Exposure | 看護が実践されている保健・医療・福祉の場として、事業所、検診センター、病院、老人保健施設等を選び、それぞれの領域における看護の役割および実社会で生活している人々の健康状態、健康ニーズを理解する。 | 事業所 検診センター 福祉センター 病院,学校 老人保健施設等 |
第2段階 | 基礎看護学実習 | 健康障害を持ち入院している患者の療養環境や健康状態、心理状態を知り、患者の日常生活上の基本的ニーズに基づいた生活援助が実践できる。 | 大分県立病院 大分赤十字病院 大分市医師会立アルメイダ病院 |
第3段階 | 看護アセスメント 学実習 | 対象者の身体面、心理面、社会面の状態を総合的に捉え、看護診断を明らかにし、看護過程を展開する基礎的能力を習得する。 | 大分県立病院 大分赤十字病院 大分市医師会立アルメイダ病院 |
第4段階 | 老年Ⅰ・在宅Ⅰ看護学実習 | 施設に入所している高齢者の生活の理解と、生活の維持・向上をめざした援助を通して老年看護の専門性と役割を学ぶとともに、デイケア・デイサービスを利用する地域高齢者との関わりを通し健康レベルおよびニーズを理解する。 | 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 |
成人看護学実習 | 成人期の対象を身体的、心理的、社会的、精神的側面から総合的に理解し、健康問題に応じた適切な看護を実践できる。 | 大分県立病院 大分市医師会立アルメイダ病院 | |
老年看護学実習Ⅱ | 老年期の特性をふまえ、健康障害と「生活の質」との両面から個別性を尊重した看護を実践できる能力を養うとともに老年看護の基本的態度を学ぶ。 | 大分県立病院 大分市医師会立アルメイダ病院 | |
小児看護学実習 | 健康児の発達段階における特徴や個人差を考慮した日常生活への援助方法を通して保育の役割を学ぶ。健康障害のある小児の療養生活における看護上の問題に対する援助活動を通して、小児と家族への看護の役割を学ぶ。 | 保育所 大分県立病院 別府発達医療センター | |
母性看護学実習 | ウェルネスの視点で妊娠・分娩・産褥各期の母体と胎児または新生児の生理的変化や心理・社会的特徴を理解し、母子及びその家族のセルフケア能力や親役割獲得などの援助を学ぶ。生命誕生に関わる母性看護領域における看護職の役割について考え、生命の尊厳について認識を深める。 | 大分県立病院 堀永産婦人科医院 | |
精神看護学実習 | 対象者の精神的健康に焦点を当てた看護をするために、対象者の人となりの全体的な理解、自己理解、および対象者と自分の相互関係の理解について、実践的に学ぶ。多職種との協働による精神科医療および地域における精神保健医療についての理解を深める。 | 大分丘の上病院 | |
地域看護学実習 | 地域看護の対象となる個人、家族、社会集団への看護活動を通して、保健・医療・福祉システムの現状および地域看護のあり方を学ぶ。 | 保健所 市町村 訪問看護ステーション | |
老年看護学実習Ⅱ (H21以前入学生 カリキュラム) | 施設に入所している高齢者の生活の支援を通して、対象を理解し、保健・医療・福祉分野における看護専門職の役割と課題を学ぶ。 | 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 | |
第5段階 | 総合実習 | 第1段階~第4段階までの看護学実習の体験から自らが希望する領域を選択し、その分野での看護を通して、専門職としての自覚を高める。 | 学生の希望する大分県下の約40施設 |
選択 | 助産学実習 | 人間尊重の基本理念に基づき助産の診断及び技術を用いて助産を実践し、それによって母子とその家族を受け持ち健康的な生活を営むうえで必要な援助を行う能力を養う。加えて助産の現状と課題をふまえて助産師の専門性を深める実践能力を探求することをねらいとする。 | 大分県立病院 別府医療センター 堀永産婦人科医院 くまがい産婦人科 生野助産院 わたなべ助産院 友成助産所 |
看護技術修得プログラム(統合科目)
2004(平成16)年3月に文部科学省から「看護学教育の在り方に関する検討会」の報告書が、さらに、2008(平成19)年4月には厚生労働省から「看護基礎教育の充実に関する検討会」の報告書が出され、大学において、看護専門職者として生涯にわたり専門性を深めていくための基礎能力を確実に培うこと、また、国家資格を有した看護職者として修得しなければならない基本的な看護実践能力について、卒業時の到達目標が示された。
ねらい
最終の卒業時には全員が、看護実践の基本的能力として幅広い視野から人間と人間生活を理解し、確実な倫理観をもって行動する態度と姿勢を身につけること、さらに、自己研鑽しながら看護実践能力を高めていく姿勢をもつことをねらいとしている。
目的
確かな専門性と豊かな人間性を兼ね備えた資質の高い看護実践を実施できるための知識・技術、および判断能力を身につける。
構成
<第1段階>基礎看護技術演習(第4段階実習前の看護技術チェック)
目的:対象への安全・安楽に配慮した看護基本技術の実践能力を身に付ける。
具体的には以下の4点を習得することが目的である。
1) 日常生活援助技術は、1人で確実に実施できる
2) 患者の安全・安楽を保障する技術は確実に実践でき、リスクの判断ができる
3) 単に技術のhow-toだけではなく、技術の根拠・方法の選択など判断能力を養う
4) 患者への配慮を実践に反映できる
時期:3年生7月~9月(第4段階実習前 チェック日は原則として9月1週目)
<第2段階>総合看護学演習
目的:基礎看護教育の総まとめとして、人間科学講座の専門基礎科目と看護の専門科目で学んだ知識・理論を有機的に統合し、看護過程を展開、適切なアセスメント能力および看護技術を提供できる能力を養う。
時期:4年生 10月~11月(後期前半)
<第3段階>総合看護技術演習
目的:看護基本技術のうち日常必須の技術であるにもかかわらず、習得度が低い項目について、正確な知識、冷静な状況判断に基づいた的確な実践能力を養い、卒後への自信を深める。
時期:後期後半
※ 平成23年度入学生からは、2年次から開始となり、4段階のプログラムとなります。

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