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Green Hill Nursing Home

Aug 24(Thursday),2006

 

 私は今回のソウル大学とのStudent Exchange Programに参加したことで、とても貴重な体験ができたと思います。韓国滞在中にさまざまな施設を見学することができたのですが、私はその中でもGreen Hill Nursing Homeで学んできたことを書きたいと思います。

 Green Hill Nursing Homeとは日本でいう介護老人福祉施設や特別養護老人ホームといった施設に該当します。この施設は、暖かくより家族的な雰囲気作りを目指し、人間として価値のある生活や終末医療を提供することを目標としていました。常勤の医療従事者としては、看護師、ソーシャルワーカー、セラピスト、介護福祉士がいます。施設内でのそれぞれの職種の役割分担もきちんとされていて、看護師は施設全体の管理と医療行為を行う役割、ソーシャルワーカーは入所者の方々に対する生活のプログラム作り、セラピストは理学・作業療法の実施、そして介護福祉士は体位変換など入所者の方々の身の回りのお世話を主に行っているということでした。また、医師の訪問が週に二度あり、診察や薬の処方など随時必要な医療処置が行われていました。私が興味を持ったのは、針療法や美容に関するサポートを行うサービスまで用意されていたことです。そのほかにも患者さんのメンタル面を支えるために、神父さんを呼ぶ機会もあるそうです。部屋の作りも韓国文化の独特の住居である「オンドル」という構造で作られている部屋もありました。私はこの施設を一通り見回り、説明を聞きながら、「環境もいいところだし、入所者の方々のQOLの向上のためにさまざまな工夫がされているな」と感じました。

 しかし、入所者の方々や入所を希望する方にとって、良いことばかりではありませんでした。その問題のひとつに高額な施設利用料が入所者の方々やその家族の負担になっているということがありました。例えば一ヶ月二百万ウォン(日本円にしておよそ約二十万円)の施設利用料や、そのほかにも任意に保険に加入したりといったことです。なぜこんなにもお金がかかるかというと、その原因は韓国と日本の介護保険制度を導入しているか否かという違いにありました。2000年から介護保険制度を実施している日本に対して、韓国は現在検討中ということでまだ実施にはいたっていません。そのために入所者は公的な援助を受けることができず、結果的に利用料を自己負担せざるを得ないのです。そうすると、高収入・高所得の人々しかこういった施設のサービスを受けることができなくなり、そこに必然的に介護の質に格差ができてしまうのです。これが韓国の現状であり、今回私が最も勉強になったと感じたことでした。

 日本と韓国の医療制度・保険制度の違いを実際に身をもって体験したことで、本当に多くのことを学ぶことができたと思います。それは看護や医療の分野に限ったことではありません。この施設では、日本語を流暢に話す87歳のおばあさんに出会いました。それはなぜかというと、日本が韓国を併合していた時代に日本語の教育を受けたことがあるからだそうです。私はその話を聞いたとき「ハッ」としました。今までで戦争の歴史のことを一番身近に感じた瞬間でした。

 日本と韓国は違う国です。国が違えばものの考え方が違い、ものの考え方が違えば文化も違ってきます。その違いが医療への考え方の違いとして見受けられる場面もありました。そしてまたその違いにより、自分は日本人なんだなと自覚させられ、自分の不勉強具合を指摘されたような気持になりました。これからは、この体験を生かして、いろんな分野の勉強をしていきたいと思いました。本当に貴重な体験ができてよかったです。(二年 S.K)