HOME − ソウル大学交流(2006年:看護科学大生 ソウル訪問)  − レポート 

Seoul National University Hospital (8/22 THU)

  

ソウル大学病院は1876年創設され、以来韓国屈指の中枢病院であり韓国医療の最先端をいく医療施設である。22の診療科があり、4224人のスタッフ(内、看護師1512人)で対応している。病院の雰囲気は、日本の病院とあまり変わらなかったが、とても明るく、広く、外来患者数も多いことから、エントランスには人があふれていた。

1)看護教育

ソウル大学病院の医療スタッフの多くはソウル大学の学生であり、学生の期間も通じて新人教育を熱心に行っており、昨年の日本の新人看護師のミス率や離職率を下回るものであり、新人教育の重要さを感じるとともに、看護職者のプライドの高さ(誇りをもっていること)に尊敬した。

2)看護体制

韓国での看護師のユニフォームは、スカートは師長さん等のHead Nurseのみ着用可でその他の看護師はパンツを履いており、韓国らしい縦社会がここにも現れていた。

 病棟見学を行った際、一番驚いたことが“家族の介入度”である。患者さんの多くの方には家族の付き添いが24時間を通してあり、医療行為以外の大抵の看護(例えば、食事介助やオムツ交換、吸入吸引等)が家族により行われていたので、病院ではあるが、在宅を思わせるような光景であった。そのため、看護師が廊下を走ったり、慌しくしている様子が一切なく和やかで非常に落ち着いていた。同時に、韓国の学生が日本に来て、面会者の少なさや看護師の忙しそうな様子をみて少し驚きをみせていた理由が分かった。

 韓国では既に、ナースキャップをかぶる慣習がなく県病来訪の際、「まだ日本ではナースキャップをかぶっているの?!」と驚いていた

3)看護管理・プライバシー

          ソウル大学病院では全棟電子カルテであり、病室の前には必ず1台のPCが備え付けらえており、スタッフがいつでもアクセスできるようにしてあった。しかも、そのPCは常に電源をつけたまま開いたままで、通りすがりの誰もが内容を目にすることができた。ここに、日本とは違うプライバシーの保護の緩やかさがあった。外来においても、(日本では番号札で呼び出すことが定着してきたが、)名前で呼び出したり、電光掲示板に名前を表示し自分の順番が確認できるようになっていた。

日本では「プライバシー」と叫ばれている一方で、韓国ではオープンした形であったため、文化の違いを感じるとともに、衝撃的な場面でもあった。

4)婦人科外来

韓国でも、乳がんがここ数年で増えており、婦人科外来専用のブースがあり、雰囲気も女性が癒されるように壁紙も音楽も配慮されていた。ひとつ驚いたことが、ほとんどの患者さんが夫婦揃って待合室にいたことだ。女性の生殖器疾患ということで、なかなか打ち明けることができず一人で抱え込んでいるという印象があったが、初診の時から夫婦で来診する等、韓国らしい夫婦・家族を大切にする恩恵を感じ、なにか日本では感じない温かさを感じた。

Seoul National University Children’s Hospital

       小児手術室・小児集中治療室・新生児集中治療室・小児救急室などの小児疾患に関連する専門的な治療機能を誇る国内唯一の国家中央小児専門病院である。私の訪れた病棟は34床の泌尿器科で、愛らしい子供たちが迎えてくれた。Hed Nurse1人、看護師16人、IV specialist1人(*1)補助看3人で構成されていた。 家族の付き添いは24時間許可されており、ほとんどの子供に親が付き添っていた。国内医療の発展のために、率先して国が病院と提携し、疾患の研究やスタッフの養成に力を入れているみたいだ。 

*1・・・韓国では、まだ看護師の静脈注射が認められていないので、RNのうち6ヶ月IV specialistの研修を行ったらこの資格を持つことができる。
(三年 T.K)