健康科学専攻

更新日2015.07.31

健康科学専攻(修士課程)

 

健康科学専攻とは

 看護学研究を行う看護学専攻に対して、人間科学講座が中心となって行う大学院教育です。看護職以外の医師、管理栄養士、診療放射線技師、薬剤師、臨床検査技師、臨床工学技士、運動指導士、理学療法など、あるいは健康科学に関連する研究(実験医学、情報科学、統計学、心理学など)を挑戦したい人が対象です。修士(健康科学)、博士(健康科学)の学位を取得できるためのコースです。

 

健康科学専攻 専攻領域の概要

① 健康生理学領域

 加齢と共に、生体のホメオスターシスの破綻により、多くの疾患が発症する。 本講座では、生理学的観点から、機能破綻をきたした状態(疾患)について、理解を深める。また、食事は生活の基本であるがゆえに食生活の改善を促す事はきわめて難しい。食生活は生活習慣病と密接に関係することが明らかになるにつれ、管理栄養士や食に関わる専門職は、食生活がもたらす健康の事象を生理学的視点から認識することで、健康と健康の対極である疾病まで生体は多様なスペクトラムをとることが理解できる。また、遺伝子レベルで生じる個人差の問題もあり、 生理を修飾する遺伝的情報を理解することも重要とされている。これらの要因を理解し、健康科学的な視点から様々な生理的な現象に潜む健康との関係について教授し研究する。

② 環境健康科学領域

 アレルギーは現代、最も多くの国民を悩ます現代病である。アレルギーの原因の中で花粉は大きな位置を占め、それを増悪する因子は生活環境に多く存在するとされている。また、ナノ粒子の工業利用が推進されると健康影響の可能性が指摘されていて健康科学領域の重要な課題となっている。健康科学は疾病までに至らない未然防止の対策を推進するためには、環境に存在する有害因子を事前に見つけ、社会的なリスク対策を実施していくことが肝要である。そのためのベースとなる学問的な知見を、毒性学や実験的科学的な視点から教授し研究する。環境管理に従事する行政の専門職や実験医学を志す研究者が積極的に研究に関与することで環境健康科学が推進されると考えられる。

③ 健康運動科学領域

 健康意識の高まりは、運動が生活習慣病を予防する重要な生活習慣であると考えられようになってきた。そこで、生活習慣の中で運動が健康に及ぼす影響を科学的に認識することの大切さが社会的に認知される必要がある。一方で、生活習慣病の増加によって医療現場では、看護職や理学療法士・作業療法士がリハビリに従事する機会が増え、身体的な機能と運動との関係を科学的に理解することが求められている。このように、運動に関わる課題は社会生活の中に多数存在し、地域社会において健康運動科学が果たす役割は大きい。例えば、本学が大分のある地域で実施してきた高齢者の体力増進プロジェクトは地域社会の関心を集め、高齢者の寝たきりゼロを目指す健康運動の推進役となってきた。本領域では、健康科学的な視点から運動を科学的に捉え実践できる人材の育成を行う。

④ 放射線健康科学領域

 医療における放射線の利用は高度な画像診断の日進月歩の開発と共にますます増加傾向にある。また、がん対策基本法の制定によってがん治療の推進に放射線治療が重視されている。これらの放射線利用の推進に伴い、放射線に関わる健康問題、安全問題に対して理解できる診療放射線技師のニーズは高く、放射線診療における安全管理の重要な要となることが期待されている。また、放射線・放射性物質の利用が保健・医療・福祉領域のあらゆる場に拡大すると同時に高度化しており、さらに医療の領域にとどまらず、研究・教育、工業、農業などの領域で放射線利用が広がっている。このように拡大していく放射線利用の発展を支えるためには、放射線に関わる健康問題、安全問題に対して理解ができるリーダーの育成が不可欠である。このような人材を育成する大学院教育は数少なく、放射線に関わる健康問題、安全問題を教育・研究できる高度な専門性を身につけた人材を育成する。

⑤ 健康情報科学領域

 古くから保健統計分野は推進されてきたが、保健統計の専門家は決して多くない。健康科学における統計学はすべての分野に関係するだけでなく、生物現象や社会現象を理解するためには必須の知識・技術である。近年のICT(情報通信技術) 社会の到来によって、コンピュータやITは特別な道具ではなくなった。健康科学を推進していくためには、統計学、コンピュータおよびICTを含めた情報処理技術を効果的に利用していくことが不可欠である。例えば、高齢者の在宅医療を支える技術としてITは今や必須の道具となってきた。健康科学的な視点から保健統計ICTを専門とする人材の教育に対するニーズは高い。本領域では、保健統計及びICTに関する高度な専門性を備えた人材の育成を視野に入れた教育を行う。

⑥ メンタルヘルス学領域

社会の複雑化、高度な機能分化、高齢化、および家族構成の変化などに伴い、現代社会におけるストレスの様相はめまぐるしく変化しており、あらゆる領域でメンタルヘルスの重要性が認識されている。つまりメンタルヘルスに関する知識と技術は、保健・医療・福祉の実践現場のあらゆる領域において活躍する専門職にとって不可欠な資質の一つである。そこで、メンタルヘルス学領域においては、人間の心をめぐる多角的なアセスメントの方法、人間の心に焦点を当てた事例理解、および心の健康と関連事象に焦点を当てた援助の技法について包括的に教育し、健康科学の視点からのメンタルヘルスの実践的研究を積極的に推進できる人材を育成することとする。

 

健康科学専攻 アドミッションポリシー,カリキュラムポリシー,ディプロマポリシー

健康科学専攻:アドミッションポリシー

 看護職以外の医師、管理栄養士、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、運動指導士などの資格をもつ人、あるいは健康科学に関連する研究を深めたい人を対象に研究力の育成を目指して、次のような人材を求め、アドミッションポリシーを定める。

1.健康科学を学ぶために必要な基礎学力・コミュニケーション能力を有する人

2.課題達成のため継続的に努力し、国民の健康増進に貢献することを希望する人

  1. 3.健康科学に関する多角的な知識と研究に必要な考え方及び技法を身につけたいと考える人

健康科学専攻:カリキュラムポリシー

  1. 1.各学生の専門性に応じて6つの専攻領域から1つを選択し、少人数・双方向的な環境の下、選択した領域の科目を中心に学ぶことを通じて、専門的な知識と分析能力を修得させる。

    2.専攻領域における様々な課題に対して柔軟に対応・解決できる研究能力を修得させるため、指導教員による研究指導の下で修士論文の作成を行い、研究力を育成する。

    3.学内外での研究発表の機会を通して、論理的に構成された発表およびディスカッションができるコミュニケーション能力を身につけさせる。

    4.研究推進に必要な語学力を修得させるため、共通科目として、英語論文作成概論、原書講読演習、Intensive English Study を設置する。

  2. 5.研究推進に必要なスキルを修得させるために、共通科目として、保健情報学特論、健康科学研究特論を設置する。

健康科学専攻:ディプロマポリシー

 本専攻では、以下のような能力を身に付け、かつ所定の単位を修得した学生には、博士課程(前期)の学位(修士(健康科学))を認定する。

1.健康科学に関する確かな知識と、研究を進めるために必要な技法および語学運用能力

2.各自の専門領域における幅広い知識をバックボーンとして、対象者の身体的・心理的・社会的な健康状態について理解する能力

3.対象者の健康状態を理解するために必要な技能を修得し、適切な方法でそれを利用・表現する能力

  1. 4.対象者の健康状態の理解に積極的取り組み、その増進に貢献しようとする意欲