本学教員 影山隆之先生が執筆・翻訳した書籍が出版されました

更新日:2025年1月23日 ページ番号:0007525

睡眠学睡眠学睡眠学睡眠学​​​​​

本学精神看護研究室教授 影山隆之先生が執筆された書籍「睡眠学の百科事典」と
翻訳書籍「ストレスの歴史―科学的研究の発達と社会・文化の影響―」が出版されました。
影山先生は「睡眠学の百科事典」では「第2部 睡眠社会学 3章 睡眠と社会」の「在宅介護者の睡眠」を執筆、
「ストレスの歴史―科学的研究の発達と社会・文化の影響―」では第1章後半を翻訳されています。
それぞれの書籍について影山先生ご自身にご紹介いただきました。
図書館新刊コーナーに置いていますのでぜひご覧ください。

  精神看護研究室教授 影山隆之先生より

睡眠学の百科事典

睡眠学の百科事典
日本睡眠学会 編
丸善出版 2024年

睡眠学睡眠学睡眠学睡眠学​​​​​​​​​

人生は覚醒と睡眠の2種類から成り立っていますが、幸福な人生や健康な生活についてイメージするとき、
ほとんどの人は覚醒時間のことしか考えません。しかし実は、睡眠と覚醒は表裏一体で分けられないものなので
幸福な睡眠や健康な睡眠について考えるのは大事なことです。そこで睡眠についての関心が急速に高まっています。
もちろん睡眠は看護でも大切な問題ですから、看護学の基礎教育の中でもっときちんと位置づける必要があるのでは
ないでしょうか。 ただし、いまや、睡眠科学の進歩は猛烈に速く、長年の<常識だったことがひっくり返される
ことも多いので、これについていくのはなかなか大変です。
そこでとりあえず、睡眠の専門家による交流の場として日本最大の団体である日本睡眠学会が、会員の総力を結集し、
編集時点(2023)でわかっている最先端の知識をわかりやすく整理する百科事典を 作り上げました。
わたしも微力ながら、在宅介護者の睡眠について分担執筆しました。
完成した百科事典は、学生が睡眠について勉強したいときにきっと役に立ちますし、研究のために<睡眠について
レビューが必要なときは 「この事典の内容で勉強し、それ以降の最新研究を検索する」 ことで、とりあえず見通し
が立つはずです。正直なところ個人で買うにはなかなかの価格なので、手に取った方は図書館のありがたさを痛感
すると思います。ご活用ください。

睡眠学睡眠学睡眠学睡眠学​​​​​​​​

ストレスの歴史

ストレスの歴史
科学的研究の発展と社会・文化の影響
マーク・ジャクソン 著
丸山 総一郎 監訳
創元社 2024年

ストレスの歴史ストレスの歴史ストレスの歴史ストレスの歴史​​​​​​​

ストレスという英語は、もうふつうの日本語として完全に定着していますが、その意味をきちんと説明するのは
なかなか難しいでしょう。そもそもストレスという言葉は(考え方は)、いったいどのような意味でとらえられ、
使われてきたか、現代はいかにしてストレスの時代となったのか、という歴史に迫るのがこの本です。
著者はイギリスの大学の医学史教授ですが、一年間の休暇の間に、おびただしい数の文献を調べ上げ、ラテン語や
古い歴史の話から説き起こして、この分厚い本を独りで書き上げました。この博識と情熱には驚嘆するばかりです。
研究でストレスについて考えようとする人には、チラ見でもいいからこの本を眺めていただきたい。
わたしがこのたび翻訳を分担することになったのは、30年来のつきあいがある監訳者から誘われたからで、他の
訳者もみな古くから共に議論してきた旧知の研究者です。しかし実は、原文の英語は格調高く難解で、翻訳作業
には難渋しました。訳の相談のため本学前教授のS先生に原文を見せたところ、「Oh … 」と気の毒そうな顔を
され、ひと言「ガンバッテ!」と言われただけでした。いったいこの翻訳は出版できるのだろうかとも思いましたが、
ようやく世に出ることになってほっとしています。
翻訳は苦労が多い割に報いの少ない仕事ですが、一人でも多くの方に読んでいただければ幸せです。

ストレスの歴史ストレスの歴史ストレスの歴史ストレスの歴史​​​​​​​​​​