アドミッション・ポリシー他
アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)
看護学とは、人や社会と向き合い健康に関わるケアを実践していく学問である。学部では、総合的な判断力を持つ自律した看護師を育てることを目指し、「建学の精神」を理解した次のような特質をもつ人を受入れる。
- 生命の尊厳に対する感性と想像力をもち、自他ともに大切にできる人
- 生物学的なヒトから社会で生活する人間までを科学的に理解するための基礎学力を有する人
- 新たな学びや課題に向き合い、主体的に考え行動できる人
※本学で学ぶために必要な能力や適性等、および入学志願者に求める入学までの取り組み [PDFファイル/29KB]
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与方針)
本学で以下のような能力を身につけ、かつ所定の単位を修得した学生には、学位が認定される。
【令和4年度カリキュラム】
- 心豊かな人間性・倫理観
- 看護の対象となる人々に深い関心を持ち、共感的に関わる姿勢を身につけている。
- 人間の尊厳と権利を擁護できる倫理観を備え、人々を尊重する態度で行動できる。
- 科学的思考力
- 細胞レベルの「ヒト」、1 人の個体としての「人」、人間関係や社会の中で生きる「人間」を、包括的に理解するための知識を備えている。
- 本質を追求するための姿勢を身につけ、現象を科学的にとらえ分析的、総合的に考察できる力を備えている。
- 論理的な思考に基づいて、課題を解決する力を備えている。
- 看護の基盤となる専門知識・技能
- 看護を遂行するための幅広い知識、原理原則に基づいた基本的な看護技術を修得し、対象者のニーズに合わせて応用できる。
- 人々の健康の保持増進、疾病予防・回復の促進のために必要な看護を指導のもとに実施できる。
- 自分の看護観を述べることができる。
- 連携協働・リーダーシップ
- 保健・医療・福祉チームの一員として連携協働の必要性を理解できる。
- マネジメントの知識を持ち、多様な職種や人々と連携・協働する基礎力を備える。
- 組織やチームの一員として活動する力を備え、リーダーシップをとれる。
- 地域性・国際性
- 地域の環境が人々の生活や健康に及ぼす影響を理解し、看護の在り方を考えることができる。
- 多様な文化・言語・社会的背景をもつ人々の価値観を尊重しながらコミュニケーションを図る力を備えている。
- 地域や国際社会の健康課題とその背景に関心を持ち、多様な場で看護を展開する素地を持つ。
- 探究心と創造力
- 看護専門職者の自覚をもち、看護の本質への高い関心と専門性探究の意欲を持つことができる。
- 指導の下で看護の質の向上に資する一連の研究過程を理解し、研究を実施できる。
- 看護活動とケアの質改善に関心を持つことができる。
カリキュラム・ポリシー(人材を育成するための体系的教育方針)
本学は、ディプロマ・ポリシー(以下、DP)を踏まえた教育課程編成、当該教育課程における学修方法・学修過程、学修成果の評価の在り方等を下記に示す。
1.DPを踏まえた教育課程の編成方針(R4カリキュラム)
学生は、DP1「豊かな人間性・倫理観」を身に付けるため、1年次から人間科学領域において、こころの理解や社会生活の理解を深める科目を中心に外国語(英語)を含めて学びます。さらに学生は、これらを基盤に、1,2年次は基礎看護科学科目、2~4年次に専門看護学科目、広域看護学科目を学ぶことで豊かな人間性や倫理観をもつ看護職へと成長します。
学生は、DP2「科学的思考力」の涵養を目指し、人間科学領域における環境と情報の理解や身体の理解に関する科目を中心に1,2年次に科学の基礎を学びます。並行して基礎看護科学科目を学ぶことで科学的な看護の基礎力を身に付けます。さらに、2~4年次に専門看護学科目、広域看護学科目を学ぶことで、より専門的な科学的思考力を高めていきます。
DP3「看護の基盤となる専門知識・技能」は、学生が1,2年次の「豊かな人間性・倫理観」「科学的思考力」に関する学修を基盤に、2~4年次の専門看護学および広域看護学における看護の知識や技術を学ぶことで、その能力を高めていきます。
学生は、DP4「連携協働・リーダーシップ」の涵養を目指し、1,2年次の「豊かな人間性・倫理観」および「科学的思考力」に関する学修、2~4年次の「看護の基盤となる専門知識・技能」に関する学修を基盤に、専門看護学や広域看護学の科目で行われる看護学実習等を中心にその能力を高めていきます。
学生は、DP5「地域性・国際性」の理解を拡大、深化させるために、1,2年次の「豊かな人間性・倫理観」および「科学的思考力」に関する学修、2~4年次の「看護の基盤となる専門知識・技能」や「連携協働・リーダーシップ」に関する学修を基盤に、主に広域看護学の科目で行われる看護学実習等を中心にその能力を高めていきます。
学生は、DP6「探究心と創造力」を育むために、1,2年次の「豊かな人間性・倫理観」および「科学的思考力」に関する学修、2~4年次の「看護の基盤となる専門知識・技能」や「連携協働・リーダーシップ」「地域性・国際性」に関する学修を基盤に、主に看護学実習や卒業研究等の科目を中心にその能力を高めていきます。
2.学修方法・学修過程(教育内容・教育実施方法の方針)
1)教育内容・学修過程
人間科学領域の科目は「こころの理解」「社会生活の理解」「環境と情報の理解」「からだの理解」の科目から構成されており、学生は主に1~2年次にかけてこれらの科目を学びます。「こころの理解」の科目では、人間を心理的な側面から理解し、人と人との関係を学びます。「社会生活の理解」の科目では、人の社会生活を理解する人文社会科学に関する科目を学び、英語を中心とした語学を通してコミュニケーション力をつけます。「環境と情報の理解」の科目は、生活や社会環境を理解し、健康と環境、健康に関する情報の活用について学びます。「からだの理解」の科目は、人間の身体を構造および機能的側面から理解し、人間の健康と病的変化や運動機能を学修します。
基礎看護科学科目は「基礎看護学」と「看護アセスメント学」から成り、学生が人への尊厳や倫理観等の基本的姿勢を身につけるために1~2年次に学びます。「基礎看護学」は、学生が人への尊厳や倫理観等の基本的姿勢を身につけ、人々の健康生活や生活の質(Quality of life: QOL)の向上にむけて、「看護」「人間」「健康」「環境」の視点から理解を深めます。また看護の原理原則やメカニズムを理解し、科学的根拠に基づく看護実践力の基盤を身につけるため、知識や技術を習得します。「看護アセスメント学」は、学生が科学的根拠に基づくアセスメントについて学び、看護を実践するうえで必要な知識や技術、判断力を身につけます。
専門看護学科目は、「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」から成り、学生が2~3年次に学びます。専門看護学科目では、学生が成人や老年、小児、母性、精神の各専門領域の対象者に対する看護について学びます。また、学生は各専門領域の科目において、各分野における保健医療福祉システムを理解し、科学的根拠に基づき健康や障害のレベルに応じた援助を行うための理論と方法を習得します。
広域看護学科目は、「地域看護学」「社会看護学」「看護管理学」「国際看護学」から成り、学生が2~4年次にかけて学びます。「地域看護学」「社会看護学」は、学生が保健医療福祉システムの理解と共に地域で生活する人々の多様な健康ニーズを把握し、健康の保持増進や疾病予防に係る支援方法を学びます。「看護管理学」は、学生が医療機関や訪問看護ステーション等、地域包括ケアにおける様々な療養の場で看護サービスを提供するために、必要な基礎的な知識を身に付けます。「国際看護学」は、学生が諸外国の健康ニーズや看護の多様性、国際間の看護協力の必要性を学びます。
2)学習方法・教育実施方法
4年間にわたって多くの授業(講義,演習,実習など)科目が、順序性をもって配置されています。学生が、主体的に授業に取り組むことで知識や技術、能力を身に付けることが出来るよう、本学は講義以外にも、健康科学実験や看護技術演習、看護学実習、卒業研究など様々な学修方法を取り入れています。
健康科学実験では、学生が基本的な実験演習や測定を通して、人の身体、健康に関係した事項や人間をとりまく自然環境に関する基本的な現象を体得し、理解を深めていきます。健康科学実験は、生体科学、生体反応学、環境保健学および健康運動学の講義・演習などで学生が学んだ基本的な10項目を中心に実験テーマが設定され、学生は8つのグループをローテーションしながら実験を行います。
看護技術演習は基礎看護科学科目や専門看護学科目以外に統合科目においても、学生が看護の専門的な技術を習得するために行われています。学生は、講義で学んだ知識を活用しながら、実際に身体を使って看護技術を提供する練習を行います。看護技術演習は、学生の学修段階に合わせて、より専門性の高い技術が身に付くよう教育が行われます。学生が積極的に取り組むことでより高いレベルの看護技術を習得することが出来ます。
看護学実習は、学生が対象のニーズを的確に判断し、科学的判断に基づいて実践できる看護師になることを目指して行われています。学生は1年次に基礎看護学実習、2年次に看護アセスメント学実習、3~4年次に専門領域実習、4年次最後の総合看護学実習を行います。総合看護学実習は、学生がより深い専門性や物事の本質を追求する姿勢を身に付け、応用・統合能力を強化するための実習となります。さらに本学では、学生が4年間継続して行う「予防的家庭訪問実習」を1~4年次生全員が行います。この実習は、学生が地域で生活する高齢者を定期的に訪問し、生活と健康、地域環境等の関連性を理解する重要な実習です。看護師の働く場は地域へと拡大しており、この実習はそうした社会の変化を見据えた先駆的な実習として地域の皆様からも受け入れられています。
卒業研究は、最終学年である4年次生が一人ひとつのテーマで1年間をかけて取り組みます。学生は卒業研究を通して、これまでの授業で身につけた知識・技術やスキルを統合し、問題解決と新たな価値の創造につなげる能力や姿勢を高めていきます。
3.学修成果の評価「学修成果を評価する方法に関する方針」学修成果の評価の在り方
学修成果は、「卒業認定・学位授与の方針」に定められた項目を達成するために、学則別表や学修方法・学修過程(カリキュラム・マップやカリキュラム・ツリー)に示された科目において、目標とする学修の到達度がどの程度であったかを示すものです。したがって学修成果となる各科目の目標はそれぞれの科目において設定しています。また、学修成果の評価方法も評価割合と共に科目ごとにシラバスに示しています。科目の目標達成度をルーブリック評価で行う科目も有ります。ルーブリック評価は、それぞれのレベルの特徴を示した評価基準からなる一覧表を用いて、成績評価を分かりやすく可視化し、厳格に評価します。卒業研究や原著講読等においてこれらの評価を行っています。各科目の評価方法および評価割合に基づき、各科目の目標達成度を総合的に判断し、最終的に科目ごとの成績評価を履修規程の第8条に示す5段階で行います。
アセスメント・ポリシー
ディプロマポリシーに沿った教育課程による成果を可視化し、その結果を教育課程の改善につなげるために学習成果を評価する。評価は、学位授与の方針 (ディプロマポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)、入学者受け入れの方針(アドミッションポリシー)に基づき、大学レベル、教育課程レベル(学部)、科目レベルでおこないます。
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入学時(AP に基づく人材かどうかの評価) |
在学時(1,2,3年末評価) |
卒業時 |
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大学レベル |
・入学試験 (入学時提出書類を含む)
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・進級率、休学率、退学率 ・学生生活実態調査 |
・卒業認定数(学位授与数) ・国家試験合格率 ・養護教諭一種合格率、就職率 ・看護師就職率・進学率 |
教育課程レベル |
・入学試験 (入学時提出書類を含む) |
・進級率、休学率、退学率 ・GPA 分布 ・S,A,B,C 評価分布 ・進級試験得点率(2 年次のみ) ・学生表彰 ・DP/CP 到達度アンケート |
・GPA 分布 ・S,A,B,C 評価分布 ・DP/CP 到達度アンケート |
科目レベル |
・入学後試験注1) |
・各科目の単位認定 ・授業評価アンケート |
・各科目の単位認定 ・授業評価アンケート |
注1) 令和4年度からの新カリキュラムは「生命科学入門」で行われる試験