看護研究交流センター

予防的家庭訪問実習とは?

更新日:2016年6月3日 ページ番号:0000529

予防的家庭訪問実習

(1)目的

学生たちが大学4年間を通して継続的に予防的家庭訪問を行い、高齢者の健康状態や生活実態などを把握し、地域の高齢者ができるだけ自立して自宅で暮らすことができるよう機能低下予防を行うことによって、地域の再生・活性化に寄与することを目的としています。

(2)内容

予防的家庭訪問実習の画像

高齢化が進み、孤立しがちな70歳以上の高齢者に対し、看護学生が予防的家庭訪問実習を行います。
この訪問実習は、1年間に4回程度、継続的・定期的に同じ高齢者に家庭訪問を行います。高齢者を理解し、健康状態を把握し、予防的視点で計画を立て看護実践をすることにより、高齢者の機能低下の予防を目指します。
 また、4年間同じ高齢者を担当することにより、高齢者の人生を長期的な視点で支える重要性を理解し、高齢者に継続的に関わることができる看護師を目指します。
さらに、予防的家庭訪問実習は、各学年1名ずつ合計4名で一つのグループを構成します。学生は学年を超えたグループメンバーと共同することになり、他の学年との交流や意見を交換する経験を積むこととなります。

(3)訪問地域について

本学は北東に富士見が丘団地、南西に野津原地区(旧野津原町)が広がっており、両地区とも高齢化率が高く、独居高齢者や老夫婦の増加という現代の日本が直面する共通の課題を抱えています。この二地域で本実習を実施させていただきます。この二地域を紹介します。

事業対象地域についての画像1

東西12.5km南北7.5kmの広大な土地に4,550人が住んでいる。高齢化率は平成27年3月には41.8%と高い。地域で支えあう習慣はあるが、若者が激減しており、これまで高齢者を支えてきた人たちも、高齢者になりつつある。また、山間部ほど高齢化が進み、集落が小規模で分散している。公共の交通機関がほとんどないため、病院、スーパー、郵便局等へのアクセスが自力では難しい。人口の減少が深刻で、高齢者の孤立化が課題となっている。

事業対象地域についての画像2

昭和40年代に開発された一戸建て住宅からなる東西2.0km、南北1.3kmにわたる郊外型団地である。開発後、約40年を経過するため高齢化が著しく、かつ、その進行も速い。人口7,519人のうち65歳以上の占める割合は平成27年3月には35.7%となり、対前年比で1.7ポイントの増加となっている。一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が多く、3つある自治会やその上部組織である連合自治会とも、介護予防プログラムに積極的である。一方で地形的に坂と階段が多く、高齢者が外出しにくいため、公民館でサロンが開かれても、虚弱な高齢者が徒歩で参加するのは難しい状況にある。