資料請求
お問い合わせ
資料請求
お問い合わせ
Instagram<外部リンク>
Facebook<外部リンク>
English Site
アクセス
大学紹介

【研究紹介】スキンケアによる放射線皮膚炎の予防および回復効果の検証

更新日:2026年3月3日 ページ番号:0008648

研究者プロフィール

水田 恵子<外部リンク>​(成人看護学研究室 助教)
研究キーワード:放射線皮膚炎、スキンケア、放射線看護

研究紹介

研究テーマとその内容について教えてください。

 放射線治療の副作用である「放射線皮膚炎」を、看護と科学の視点から軽減・予防することを目指した研究です。これまでに、がん放射線療法看護認定看護師を対象として放射線皮膚炎ケアの現状を明らかにする実態調査と、マウスを用いたスキンケア効果の実験的検証に取り組んできました。現在は、放射線照射によって皮膚に生じる障害の特徴を明らかにするとともに、「保湿」や「洗浄」といったスキンケアが、どのようなメカニズムで放射線皮膚炎の予防や回復に役立つのかを、細胞レベルで詳しく調べています。

現在の研究を始めようと思ったきっかけや、解決したい課題は何ですか?

 多くの患者さんが放射線治療を受けていますが、その過程で生じる放射線皮膚炎や生活への影響については、医療者が十分に把握しきれていない現状があります。また、臨床現場では洗浄や保湿といったスキンケアが推奨されているものの、その効果を裏づける科学的根拠は十分とはいえず、医療者の経験に基づいて実践されている側面があります。がん放射線療法看護認定看護師を対象とした調査でも、施設ごとにケア内容が異なり、統一した指針がないことが、放射線皮膚炎に悩む患者さんへの対応の難しさにつながっていることが明らかになりました。こうした背景から、患者さんの苦痛を軽減し、看護師が自信を持ってケアを提供できるよう、放射線皮膚炎に対するスキンケアの効果を科学的に検証したいと考えのが、この研究を始めたきっかけです。

先生の研究が、地域社会の中でどのように役立つと考えていますか?

 この研究は、がん治療を受ける患者さんのQOL向上に貢献することを目指しています。科学的根拠に基づいた「放射線皮膚炎に対するスキンケアガイドライン」が確立されれば、医療機関にかかわらず質の高い治療や看護を受けられるようになります。近年は外来通院で放射線治療を受ける患者さんが増えており、自宅でのセルフケアの重要性も高まっています。スキンケア効果の根拠が明確になれば、患者さんは安心してケアに取り組むことができます。さらに、スキンケアの有効性が示されることで看護師の専門性がより発揮され、医師や他職種との連携も強化されることが期待されます。こうした成果は、患者さんが副作用に悩まされることなく治療を完遂し、自分らしい生活を維持することにもつながると考えています。

この研究をどのように発展させていきたいですか?

 現在は表皮・真皮への影響を中心に検証していますが、今後は皮膚深部にある筋肉や脂肪などの組織が放射線によって受ける障害と、その回復過程の解明にも取り組んでいきます。あわせて、放射線治療後の晩発影響として懸念される皮膚がん発症リスクについても検証し、放射線による皮膚組織反応の全体像を明らかにすることを目指しています。さらに、マウス実験で得られた知見をもとに、放射線皮膚炎に対するスキンケアの効果を看護師と共同で臨床研究として検討し、より効果的なケア方法の確立につなげたいと考えています。

関連するSDGs

SDGs