学長挨拶
看護を通して生きることを支え、豊かな未来を創造する
看護は、人々が健康に、その人らしい生活ができるように働きかける仕事です。
人が生まれる以前から健やかに成長できるように見守り、健康を保てるように生活スタイルや環境にも働きかけます。病に苦しむ人には苦痛を和らげ、患者さんが安全かつ安楽に過ごし、速やかに回復するように支援する素晴らしい仕事です。
大分県立看護科学大学は、看護を通して生きることを支え、豊かな未来を創造することを目指します。そのために、学部教育では確かな看護基盤を持つ看護師と養護教諭を、大学院教育ではより高度な実践力を持つ保健師、助産師、ナースプラクティショナー(NP:診療看護師)、看護管理者、看護学や人間科学の研究者を養成しています。
大学は知的探求の場です。看護学は大変新しい学問分野であり、科学の光を当てて解明すべきことがたくさんあります。大学教育では、科学的思考と方法を学び、真理を探究する力を身につけます。そして、その過程を通して人格を磨き、人間性を豊かに育んで欲しいと願っています。
本学では、看護学はもちろん、人間科学の教授陣も豊かに揃い、一緒に学生を育てています。学部生全員が健康科学実験を行い、人間や環境を科学的に見る眼と測定技術を学修します。看護学の教授陣が、最新の知見を豊富な事例を交えて講義するほか、演習・実習を細やかに指導し、学生の気付きや能力を引き出していきます。
現在、看護実践の場は病院から地域へと大きく拡大しています。そこで本学では、学部生全員が1年生から4年生までのチームを作り、地元のご協力を得て、予防的家庭訪問実習を行います。予防の重要性を理解し長期的な視野、地域を見る視点を養うと同時に、チーム連携に必要なコミュニケーション力、リーダーシップを伸ばしていきます。
現代の保健医療福祉の多様なニーズに応え、判断力と実践力のある看護師を育てるために、充実したカリキュラムを組んでいます。
新型コロナウイルス感染症は、世界がつながっていることを改めて示しました。世界各国で看護職が活躍しています。今後、グローバルな視点は欠かせません。私たちが取り組んでいる、看護の科学的解明や高齢化が進む地域への予防的介入は、世界共通の課題でもあります。
大分の地で地域の課題に取り組むことは、世界共通の課題に向き合うことにつながっています。一緒に取り組んでみませんか?
Think globally, act locally!
看護の力で社会をより良くし、明るい未来を創造していくのは、みなさんです。
みなさんの未来創造を、教員一同全力で応援します。
大分県立看護科学大学
理事長・学長 村嶋幸代
(東京大学名誉教授)
村嶋幸代(むらしま さちよ)プロフィール
東京大学医学部保健学科卒業(保健師・看護師)
同大学院医学系研究科修士課程修了 保健学博士(東京大学)
聖路加看護大学 助教授、東京大学大学院医学系研究科 教授等を経て、2012年度より現職
東京大学名誉教授一般社団法人 全国保健師教育機関協議会 理事
一般社団法人 日本NP教育大学院協議会 副会長
一般社団法人 日本在宅ケア学会 監事
日本NP学会 監事
公益社団法人 日本看護科学学会 元 理事長(平成14年~16年)
一般社団法人 日本地域看護学会 元 理事長(平成21年~27年)