中小規模病院における看護のトップマネージャーの地域の看護ネットワークへの参加と看護管理行動との関連
更新日:2025年3月25日
ページ番号:0007740
看護管理学研究室 矢野亜紀子<外部リンク>
はじめに
日本では、病床300 床未満の中小規模病院が地域医療を支えている。中小規模病院が質の高い看護を提供するには、看護部門を代表する責任者(以下、トップマネージャーとする)の看護管理行動が重要である(吉田 2019)。本研究は、地域の中で情報交換や課題の共有等を行う看護管理者らのネットワーク「地域の看護ネットワーク」に注目し、地域看護ネットワークへの参加と看護管理行動との関連の解明を目的とした。
方法
国内15県の中小規模病院(病床300床未満)のトップマネージャー1,147人を対象に、質問紙調査を実施した。質問項目として「中小規模病院の看護管理者のための看護管理行動評価表(B票)(以下、看護管理行動)」(吉田 2019)の評価項目を用いた。
結果
分析の結果、会議への参加は、看護管理行動の2つの概念 「看護管理のぶれない軸をもつ」と 「人とつながり自ら学ぶ」と関連した。イベントは看護管理行動の4つの概念すべてと関連し、中小規模病院看護管理支援事業は 「スタッフの成長支援」と 「人とつながり自ら学ぶ」と関連した。
考察
地域の看護ネットワークの会議やイベント、支援事業は、看護管理向上の機会となる可能性が示唆された。このため、中小規模病院のトップマネージャーが、限られた資源や多忙な業務の中でも身近な地域のネットワークに参加する機会をもち、看護管理を高めていくことが期待される。
参考文献
- 矢野亜紀子, 福田広美, 荒木章裕, 姫野雄太, 村嶋幸代. (2023). 中小規模病院における看護のトップマネージャーの地域の看護ネットワークへの参加と看護管理行動との関連. 看護科学研究, 21, 108-118. https://doi.org/10.20705/jjnhs.21.0_108
- 吉田千文(2019). 看護管理者の自己評価に基づく能力向上: 指針と実践. 手島恵(編), 地域密着型病院の看護管理能力向上, pp58-95. 日本看護協会出版会, 東京.
本研究はJSPS科研費C22K10735の助成を受け行われた。